実案件で挑戦したオンプレ仮想基盤構築 〜KVM/OLVMを通じて学んだこと〜

1. はじめに

前回のブログでは、オンプレミス環境で広く利用されている仮想化技術 KVM と、それを統合管理する OLVM(Oracle Linux Virtualization Manager) の仕組みや役割について解説しました。
仮想化がクラウドの基盤技術であること、そしてオンプレミス環境でも今なお重要な位置づけであることをご理解いただけたのではないでしょうか。

今回はその続編として、実際の案件でオンプレ仮想基盤構築に挑戦した経験をもとに、「KVM/OLVMを用いた構築作業をどのような流れで進めたのか」、そして「新卒2年目のエンジニアが、実案件を通じて何を学んだのか」を中心にお伝えします。

本記事は、詳細なコマンド手順を解説する技術マニュアルではなく、現場での考え方や学びに焦点を当てた内容となっています。
オンプレ仮想基盤に興味のある方や、若手エンジニアの成長プロセスを知りたい方にとって、少しでも参考になれば幸いです。

2. 実案件における構築の全体像

本案件では、オンプレミス環境において KVM を仮想化基盤として構築し、OLVM により統合管理を行う構成を採用しました。

構築の全体フロー

今回のKVM/OLVM構築は、大きく以下のステップで進めました。

  • OSの準備と初期設定
    仮想化ホストとなる物理サーバーに Oracle Linux をインストールし、GUIを含む構成をベースに初期設定を行いました。
    本案件では、「OLVMのWeb管理画面確認」、「ブラウザ操作や証明書の取り込み」など、GUI操作が必要となる場面があるため、運用・検証作業を考慮した構成としています。
  • ネットワークの設計と構築
    可用性と運用性を考慮し、物理NICの冗長化(Bonding)や VLAN 設定を行いました。
    仮想マシンの通信や管理ネットワークを見据え、後から変更しにくいネットワーク部分を先に固めることがポイントとなります。
  • KVM/OLVM構築に向けた事前準備
    OLVMをスムーズにデプロイするため、リポジトリ設定、必要パッケージの導入、ストレージや名前解決の確認などを事前に実施しました。
    この工程は地味ですが、後工程のトラブルを防ぐために最も重要なフェーズでもあります。
  • OLVM(セルフホステッドエンジン方式)のデプロイ
    OLVMエンジンを仮想マシンとして稼働させるセルフホステッドエンジン方式を用いて構築を行いました。
    実運用を想定した構成であり、デプロイ時にはネットワークやストレージの選択、管理用仮想マシンのリソース設定などを一つひとつ確認しながら進めました。
  • 管理画面へのアクセス確認と動作チェック
    デプロイ完了後は、OLVMのWeb管理画面へアクセスし、仮想化基盤として問題なく利用できる状態であることを確認しました。
    ここで初めて、構築した仮想基盤が「使える状態」になったと言えます。

※ 詳細な要件はOracle公式ドキュメントを参照
https://docs.oracle.com/cd/F30061_01/arch/architecture-kvm-reqs.html

※ 構築参考手順
https://docs.oracle.com/cd/F30061_01/getstart/getstarted-he-deploy-tasks.html#he-deploy-tasks

全体像を意識することの重要性

実案件を通じて強く感じたのは、一つひとつの作業を点で捉えるのではなく、全体の流れとして理解することの重要性です。

特に若手エンジニアにとっては、「今行っている作業が、最終的にどの工程につながるのか」を意識することで、単なる作業手順ではなく、仮想基盤全体を俯瞰した理解につながります。

3. 実案件を通じて学んだこと

本案件では、オンプレ仮想基盤の構築にあたり、設計から構築までプロジェクトの一連の作業を経験できたことが、最も大きな学びとなりました。
これまで参画してきた案件では、限られた工程のみを担当することが多く、全体像を意識する機会は多くありませんでした。

今回は、チームメンバーから設計や構築の各フェーズごとにフォローを受けながら作業を進めることで、「なぜこの構成になるのか」「この判断が後工程にどう影響するのか」を考える視点が身についたと感じています!

特に、設計段階での判断が構築作業のしやすさやトラブルの有無に直結することを実感し、単に手を動かすだけでなく、事前に考えることの重要性を学びました。

一連の工程を通してプロジェクトに関われたことで、「言われた作業をこなす立場」から「構成を考え、判断する立場」へと、意識が変わったことも大きな変化でした。

4. まとめ

本記事では、実案件でオンプレ仮想基盤の構築に挑戦した経験をもとに、KVM/OLVMを用いた構築の全体像と、若手エンジニアが現場で得た学びについてご紹介しました。

構築手順そのものだけでなく、設計から構築、確認まで一連の工程を経験することで、仮想基盤を「点」ではなく「流れ」として捉える視点が身についたことは、大きな収穫でした。
また、クラウド案件とは異なり、実機に触れながら作業を行うオンプレミス環境ならではの経験は、インフラ全体への理解を深める貴重な機会となりました。

UBSでは、こうした実案件への参画を通じて、エンジニア一人ひとりが着実に成長できる環境づくりを大切にしています!!!
今後も、オンプレミス・クラウドの両面で経験を積み重ねながら、より価値の高い技術提供ができるエンジニアを目指して頑張りましょう!!!

※本記事で紹介した内容について、社内向けのナレッジ共有など必要な場合は、お気軽にご連絡ください。

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